思い出エッセイ〔384〕映画雑記帳155「【ドラゴンタトゥーの女】感想」

 【ドラゴンタトゥーの女】(マイケル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、監督:デヴィッド・フィンチャー)。原題も“The Girl with the Dragon Tattoo”。

‘ドラゴンタトゥーの女’、‘ハリエットは誰に殺されたか’、そんなキャッチコピーを結構前から目にしていました。ドラゴンタトゥーと聞くと、ああ、あれ、日本人はすぐ思い浮かべられる。女と付くと、まがまがしい感じもします。
原作が大ベストセラーということを知らなかったので、一体どんな映画か全く見当がつかないままに見に行きました。


雑誌を主宰するミカエル・ブルクヴィスト(ダニエル・クレイグ)は名誉毀損の裁判に負けて、会社にとっても自身にとっても危うい立場に追い込まれていた。
丁度そんな時、スウェーデンの大富豪ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)からある依頼があり、ミカエルは受けることにする。

ヴァンゲル一族は、スウェーデンの極寒の島に住んでいるが、そこでミカエルは40年も前に行方不明になった、一族の娘ハリエットを探して欲しいと頼まれる。
ハリエッとはもう死んでいるかも知れないが、彼の誕生日に押し花が今も変わらず送られて来るのだと言う。
ミカエルは提供された空き家に住み、調査を始める。一匹の猫が入り込んで来て、一緒に住むようになる。

一方‘ドラゴンタトゥーの女’、リスベット・サランデル(ルーニ・マーラ)は、正体の分からない女として登場します。
男の子のような髪型、鼻や唇、眉毛にまでピアスをし、非常に小柄で、華奢な体にピッタリ張り付いたような黒の皮の服を身につけている。
オートバイで爆走し、凄腕のハッカーでもある。
精神病院に入れられていたこともあり、その日の食事代にも事欠き、警備会社に雇われる。

ミカエルは一族のことを調べ始め、ロンドンに住む、ハリエットの従姉妹になる姉妹を訪ねたりもする。
やがてミカエルはリスベットと組む。

事件は思わぬ展開をし、ミカエルも殺されかける。そして意外な結末が訪れる。


原作を読んだ方はじっくりと映画を堪能できるのではないでしょうか。スウェーデンでも映画が製作されたということで、それを見ることも一興でしょう。
何の予備知識もなく、ただ‘ハリエットを誰が殺したか’だけを頭に置いていた私は、映画について行くのがやっとでした。
と言って、プロットが分かりにくいとかそういうことはなく、思いがけない展開に驚き、それでいて緻密な構成に、久しぶりに見応えのあるスケールの大きいミステリーを見たという思いでした。

外にいるはずの猫がいない、家の中に入ると、猫がいる。あれどうやって入ったのかとちょっと疑問に思うが、すぐ忘れてしまう。やがて惨たらしい姿で殺されて家の前に放り出されている。これも犯人からの挑戦であり、来るべき事態の予告でもある。

現役007のダニエル・クレイグが、寒さに震えながら、事件を解決しようとする、決して強いわけではない、アクションシーンもない、もう年だしなどとぼやく、しかし一歩一歩真相に近づいて行く、演技派であることも示しました。

リスベットを演じるルーニー・マーラが【ソーシャル・ネットワーク】のザッカーバーグのガールフレンドを演じていた女優と知って、これも驚きでした。
彼が、一方的にしゃべりまくった挙句、彼女が在学する大学を馬鹿呼ばわりしたので(確か)、怒って席を立ってしまう、ごく普通の女子学生だったのに。

ただドラゴンタトゥーが、背中いっぱいに広がっているのかと思ったら、片腕に頭の辺りと細い体が出ている程度で、なーんだと思うのは日本人だけかも知れませんが。
タイトルから見て、ハリエットが主役ということになるのでしょうか。ほんとにユニークでショッキングなキャラクターです。

私はとにかく最近出色の出来のいいミステリー映画と思い、と言って、思い出せないことも多く、もう一度何らかの形で見てみたいと思っています。スウェーデン映画が来たら、見に行きます。好き嫌いが分かれる映画かも知れませんが。  《清水町ハナ》


【追記】R指定はないと書きましたが、R15+のようです。関連記事を削除しました-2012/02/13-

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