映画雑記帳125「【ザ・タウン】感想」思い出エッセイ〔326〕

 【ザ・タウン】(ベン・アフレック、ジェレミー・レナー、レベッカ・ホール、監督・脚本(共同):ベン・アフレック)。クライム(Crime)・ドラマと銘打たれています。

一ヶ月以上映画を見ない時もあれば、結構な回数見ることもある。しかしここのところの一週間に三本というのは、さすがに初めてのことだと思います。
ベン・アフレックは、好きなと言うか、マット・デイモンと共に、注目している人なのに、一本も取り上げていません。

【パールハーバー】はかなり前の映画だし、1、2本書く気にならないのがありました。
【ザ・タウン】はとにかく見てみたいとまず思ったわけです。

私事ですが、学生時代、今で言う国際関係論を専攻したのですが、単位さえクリアすれば、ゼミは文学関係でもいいということで、アメリカ文学、Nathaniel Hawthorneで卒論を書いたので、ニューイングランド、マサチューセッツ、ボストンという地名にはある種の固定したイメージを抱いていました。

それがボストンの一角に、事実、銀行強盗、現金輸送車強奪事件の数では全米一という街があるということが驚きだったし、興味も惹かれました。それが、ボストンの銀行強盗事件、年300件、全米一という数字を導き出しているようです(新しい数字ではないかも知れませんが)。

もう慣れたはずの映画館に行って、あれ、上映中の掲示にないじゃないと思いながら、窓口でタイトルを言うと、あ、それはシネマ2です、と。えっ、1と2があるのは知っていたけど、同じビルの中だと思っていた。

近いですから、すぐ分かりますから、と地図を出して、このモノレールの下を通って、え、モノレールの下を通る・・・困惑したような表情だったのでしょう、前の道を真っ直ぐ行けばいいだけです、モノレール沿いに右に行って、すぐですから、係の人は地図の赤い線を辿りながら、すぐ、に力をこめて、丁寧に説明してくれました。

しまった、ブリッジで、一度ベンチで休むべきだった。できるだけゆっくり歩いて、確かに場所は分かりやすい。しかしここはブリッジが切れているから、エレベーターの二階で乗り降りすれば、ブリッジに出られるということはない、そんなことを慎重に?考えながら、チケット窓口に無事に着きました。

座席の位置がちょっと複雑。全部階段式ですからという説明に、それなら指定の?席がちょっとずれてもダイジョウブ。

エレベーターで上がって、さて飲み物と思ったら、あれ、ない、係の人に聞く。スミマセン、下のロビーなんです。またエレベーターで降りて、飲み物を買って、座席に戻ると、あれ、飲み物のホルダーがない。また、聞きに行くと、椅子の下の方にあるはずなんですが、と一緒に来てくれて、探してくれる。

照明を落としていて、分かりにくいけど、確かに隣りの椅子との間、かなり下の方にありました。とる時隣りの人の足の辺りを探るような感じになるけど、後から苦労してつけたのでしょう。自分でキープすればいいと思っていたら、隣りの人は来ませんでした。それにしてもチケットもモギラなければならず、忙しいのに、女性の係はとても丁寧。手間をかけて、すみませんでした。

本当に長くなってしまいました。あら筋の始めにアクセントをつけておきます。


ボストンの北東の一角にあるチャールズタウンは、アメリカ一、銀行と現金輸送車強盗が多い街である。「タウン」と呼ばれている。
ダグ(ベン・アフレック)も父親の代から強盗稼業。父親は終身刑に服している。

彼は数人のグループを組み、目当ての銀行に押し入る前に、その銀行の全てを調べ上げ、実行は秒刻みに行う。証拠は一切残さない。
ある日押し入った銀行で、副支店長に無音警報を鳴らされ、焦った仲間のジェム(ジェレミー・レナー)は、彼を殴りつけ、女性支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質にとる。

クレアを釈放するが、免許証から彼女がタウンに住んでいることが分かり、ジェムは彼女を始末しようと主張する。
ダグは、殺しはしない。自分がクレアを探ってみるからとその場は収める。

偶然コインランドリーでクレアと会ったダグは、言葉を交わし、お茶を飲んだりする中にお互いに好意を持つようになる。
元々ダグは、アイス・ホッケーのプロ選手を目指していて、あと一歩のところで夢が叶わず、強盗稼業をしているが、生活を変えたいと思い、禁酒も始めたところだった。

タウンを出たいと思っていた。しかし、ジェムは反対するし、タウンの大ボスの花屋(ピート・ポスルスウェイト)は、そんなことをしたら、クレアに危害を加えると脅す。

そしてクレアの身の安全と引き替えに、ダグにとんでもない仕事、ボストンレッドソックスのホームグラウンド、フェンウェイパークの売上金を奪うことを命じた。
ダグは止むを得ず引き受ける。

ダグに目をつけているFBIの特別捜査官フローリー(ジョン・ハム)もこの襲撃を嗅ぎつけ、球場の周囲を囲む


以前【オーシャンズ13】で、メンバーが、ITでガッチリ守られた警備を崩すのは、「お前ら、アナログ派には無理」と言われて、何とも言えない、シブイ顔をする場面がありましたが、この映画、特にダグは、そんなことは軽くクリアします。

私もどの行動がどういうことに繋がるのかよく分からず、冒頭から銀行強盗の場面で、コンピューターの端末は片端から壊す、携帯は集めて、水にドボドボ漬ける、位は分かりますが、最後に漂白剤を大量にブチマケル、と言うのは、どういうことかと思ったら、DNAを分からなくするということだそうです。
(でも本当でしょうか。これが事実だったら、殺人者など、漂白剤を撒き散らすようになるのでは)

いずれにしても、今や頭が切れなければ、強盗もできないということのようです。
そして秒単位で行動する身体能力がなければならない、予期せぬ事態に素早く適切な対応もできなければならない・・・

製作者が言う、クライム・ドラマのお手本のような作品です。
カー・アクションもモノスゴイ。チェイスと言うより、カー・クラッシュの連続。
ドカン、ドカンぶつかって、なおもぶっ飛ばし続ける、ぶつかり続ける。
自動小銃もぶっ放し続けで、アクション好きの方、堪能されると思います。

そしてあくまでクールなダグと、【ハート・ロッカー】で戦争中毒の男を演じた、ジェレミー・レナーのジェムが、正反対の性格でありながら、ウマが合う、強い友情にも支えられている、しかしお互い、自分のやり方を譲らないため、いさかいも起こす。
そんな二人を個性も容貌も対照的な二人が演じて、いい雰囲気を出しています。

タウンの黒幕、花屋の怖さも半端ではなく、映画なのに、本当にコワクなりました。
毎日もう一人の相棒と店で売る花を鋏で切ったりしているだけで、他に人もいない。しかし刑務所の中までも指令を出せるらしい。そのひと言にはダグも黙るしかない。この二人がいる限りタウンを出ることはできない。

見る前は地味な感じの映画かと思っていましたが、フェンウェイパークを襲うなどビックリで、まさか売上金の保管室は違うでしょうけど、外へ出た途端の派手な撃ち合いなどを始め、本物を背景にしての実写ではと思える所が各所にありました。
話のタネということだけでも、レッドソックスだけでなく、ヤンキースのファンも駆けつけるのでは。

しかし監督はレッドソックスのファンではないのでしょうか。一人一人のファンのお金なのに。
確か売り上げが一日350万ドルと言っていたと思いますが、実数に近いのかどうか。
レッドソックス・ファンは荒っぽいことで知られていると言われているそうですが、この最後に近い場面での、この事件をどう思うか。

最近刺青を入れている外国のスポーツ選手を多く見かけます。大体チャチな感じで、野球の選手で腕などに入れているのを見ると、身体への影響が全くないのかどうか、プラスにはならないだろうに、と思ってしまいます。

この映画でもジェムは、後頭部の首筋に目立つ刺青をしていて、クレアに目撃される。
ダグは肩から腕にかけて相当派手な、一見ヤクザ風のかなりいい仕上がりの?(桜吹雪風だったかな)刺青をしていて、目だってすぐに身元がバレテしまうのに、何故だろうと不思議に思います。
今はどうか知りませんが、昔は銭湯に「刺青の方お断り」と貼り紙がしてあったそうですが、知っているのかしら。

映画がどういう終わり方をするのか、ずっと見ていて、全く見当がつきません。
FBIのフローリーが、型にはまったタイプではなく、柔軟な思考でダグの考え方をさき先読んで行くようなタイプです。
クレアが、ダグを呼び寄せるように電話をかけさせられる。
何一つ気をつけてなどと言わない。ひたすらダグを来させるように振舞う。ダグもクレアとタップリ話して、今から行くと答える。

フローリーは、どういう意味かは分からないけど、あれがそうだったかなとポツンと呟く。
頭もいいし、勘もいい。名場面でもあります。

現代版“ポニー&クライド”のようなジ・エンドかなと思っていたら、ちょっと違いました。しかしさり気ないけど、ダグの思いの強さが分かるような終わり方でした。

親子二代に渡って抜け出せないような所から抜け出す。痛みも犠牲も伴う。
私も子供時代から結構、運命と言うと大袈裟だけど、環境が変わった。自分で抜け出す、或いは入り込む努力をしたかな・・・

ニューイングランド、マサチューセッツ、ボストン、一度行って、住んでみたいと思っていたけど、叶わなかった。実は人を受け容れない風土ではと強く感じていた。その意味では、この映画は、若い頃親しもうとして、拒否されたように感じた人や場所を、ぐっと引き寄せてくれた。暫くしてからもう一度この映画をみてみよう、そんな気になりました。

ところでちょっと調べたところによると(Wikipedia、他)、チャールズタウンは、米国で最も古い海軍工廠があり、南北戦争の時や第二次大戦の時は拡張され、200隻以上の艦艇を建造した。現在は国立歴史公園になっている。またハーバード大学の創立者が埋葬されており、モールス信号を考案した、サミュエル・フィンレイ・ブリース・モールス生誕の地でもあるそうです。観光に適したところも多いとか。  《清水町ハナ》

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