映画雑記帳68「【縞模様のパジャマの少年】感想」思い出エッセイ〔203〕

 【縞模様のパジャマの少年】(エイサ・バターフィールド、デヴィッド・シューリス、ヴェラ・ファーミガ、監督:マーク・ハーマン)。原題も“The Boy in the Striped Pyjamas”。
第二次大戦中のホロコーストに題材をとった衝撃的な作品です。

少し前に、映画館の場所を聞きがてら、混んでいるか聞いたところ、いえ、満席になるようなことはございませんと、キッパリした返事でした。

今日、第二回の一時間以上前に行ったところ、第一回は満席、第二回も50席ほどの40何番。おそらく口コミで人気が出ているのでしょう。それにまた水曜日、一律千円の日であることを忘れていました。

第二次大戦中のドイツ。8歳のブルーノ少年(エイサ・バターフィールド)は仲良しの友達と、飛行機の真似などしながら、屈託なく学校から家に帰って来る。
ブルーノの父はナチスの高級将校で、邸宅に住み、恵まれた生活をしている。

父(デヴィッド・シューリス)は昇進と共に、転勤となる。
仲良しと別れなければならないし、転勤先は周囲に何もない、荒れた感じの所で、通う学校もないので、ブルーノと姉のグレーテル(アンバー・ビーティー)は個人教師から勉強を習わなければならない。

ブルーノは退屈な日々を過ごす。下働きの縞模様のパジャマを着た老人にタイヤでブランコを作ってもらう。
ある日、家族が留守の時、ブランコから落ちたブルーノを、老人は手当てをする。
医者に行かなければというブルーノに老人はその必要はない、私は医者だからと言う。
医師が何故馬鈴薯の皮むきばかり、と聞いても、答えない。

探検好きのブルーノは一人で林の奥に入り、鉄条網に囲まれた建物を見つける。
老人と同じ縞模様のパジャマを着た男の子がいて、シュムール(ジャック・スキャンロン)と名乗り、同じ8歳だと言う。ブルーノは親近感を覚える。

誰にも内緒でブルーノはシュムールと会い続ける。話をしたり、お腹を空かせているシュムールにお菓子を持って来てやったり、かけがえのない友人となる。
彼がユダヤ人と聞いても、何も知らないブルーノは気にしない。

そこはユダヤ人の収容所で、父はそこの収容所長として赴任したのだ。
時々煙突から真っ黒な煙が立ち昇り、非常に変な臭いがする。
母(ヴェラ・ファーミガ)は何が行われているか気づき、夫を半狂乱になって、責める。
何もかも任務だと父は言い、家族をベルリンに戻すことを決める。

多くの人が集まって来て、収容所の生活の紹介映画が映写される。
こっそり覗き見たブルーノは、収容所のユダヤ人の楽しそうな様子に安心する。

台所でシュムールがグラスを磨いていたので、ブルーノは驚き、喜ぶ。
手伝いに駆り出されたのだという。
お客用のケーキをシュムールに食べさせる。
そこに父の部下の、酷薄な中尉(ルパート・フレンド)が入って来て、責め立て、ブルーノはつい、シュムールが勝手に食べたと言ってしまう。

シュムールは顔の形が変わるほど殴られていたが、ブルーノを許す。
父の姿が見えないのだと言う。
ブルーノは、お詫びの意味でも、何とかシュムールの力になりたいと思う。

探検好きで、友達を大事にする、どこにでもいる少年、ブルーノ。
ナチス将校の父親も母も姉も、家族思いで、普通の家庭と変わるところはありません。

寧ろ気楽に映画を観ているのですが、最後に近く、父も母も姉も、周囲の人も、雷鳴が轟く大雨の中、狂乱状態で絶望に捉われながら、走りまわる。
おそらく演じる俳優は、父となり、母となり、身近な者となって、演技であることも忘れていたのではないでしょうか。
女性が殆どの観客も身を乗り出して、同じ心情を味わったと思います。

ブルーノは、収容所の楽しげな映像を見ているし、ユダヤ人問題も知らない。
酷であるとも感じました。
ある意味、復讐映画という感じさえ持ちました。

しかし、万人にとまでは言いませんが、多くの方に観ていただきたい映画です。
今日は、雑記は書かず、短い映画紹介のみといたします。  《清水町ハナ》

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