時事雑記帳29「Nスペ「沸騰都市:TOKYOモンスター」思い出エッセイ〔166〕

 「NHKスペシャル:TOKYOモンスター」(2月16日22時)。新聞の番組紹介の副題は、“驚異の地下空間、高層化の仕掛け人”。「近未来アニメ」のおまけつき。「沸騰都市シリーズ」の最終回です。

漫才コンビのやりとりで、東京の簡単な紹介が始まります。(この趣向はなくもがな。個人的には、竹脇昌作のような低音のスピード感に溢れたナレーションがよかった)

東京の人口は今年中に1300万人を超す。
高層ビルは217棟。まだ建設中の、地下の‘山手トンネル’は世界で二番目に長い。

この屈指の大都市の開発を突き動かしているのは誰か。
空へ、海へ、地下へ、東京は膨張し続ける。

上空から見ると、東京は建物と道路で埋め尽くされている。
新たな開発の場である、首都高速、‘山手トンネル’は、池袋、渋谷間は完成し、間もなく品川まで開通する。

シールドマシンという巨大な機械が、刃を回転させながら、地球を掘り進む。
工事期間は一気に短縮された。

世田谷共同溝の工事により、電気、ガス、水道、光ケーブル、他のライフラインも地下に潜る。
巨大地震からライフラインを守る鉄壁の備えである。

オフィスの地下二階では植物も育てられている。地上より早く大きく育つ。
地球温暖化も関係ない。

地下へ続く階段を降りると、巨大な空間が拡がる。
59本の巨大な管が支えている。
河川氾濫の時、水を地下へ導く。深さ270m、幅30メートル。

しかし、地下も次第に混雑して来ている。
毛細血管のように張り巡らされた地下鉄路線を避けながら工事しなければならない。

膨れ上がる東京が最初に見つけた場所は海である。夢の島などが(造成された)。

今は空に昇る。規制緩和によりエネルギーが解き放たれた。
東京の膨張は新しい住民を生み、江東区などのマンションに住む子供達のために新しく小学校が建てられる。

ある小学校では6年後に1500人の生徒数になる。
高層マンションの高層階に住む子供達。学力はトップレベルである。

東京の開発を動かしているものは人、物、金。

87年頃から減り始めていた人口は、97年には増加に転じる。
外資企業の多く(75%?)が東京にオフィスを置く。

東京は生物体であると考える人もいる。
現在も100を超えるプロジェクトが進行中。

丸の内に日本を代表する企業が集まる。この開発を担うのが「三菱地所」である。
ビルを超インテリジェント・ビルに改造中である。

丸の内の主役は外資系企業。
外資系企業にとっての魅力はその狭さである。移動が簡単、機能的である。

インド系の‘サン・アンド・サンズ’のSさんを通して、インド系の企業を呼び込むことが三菱地所の狙いである。
三菱地所は無国籍ビジネス都市を目指す。

‘六本木ヒルズ’の屋上に立つ「森ビル」社長の森氏は、六本木を、盛り場から丸の内に匹敵するオフィス街にしたいと考えている。
日本が世界で生き残るためには東京の効率化しかないと森社長は考える。

更に効率性を上げるためには地下こそがフロンティアである。
森は、地価が下がっているから、東京を作り変えるいいチャンスと考える。

浅草には、「東京スカイツリー(タワー)」が出現する。
若者の街、渋谷も再開発される。

2025年完成を目指すリニア新幹線の工事も進んでいる。
超効率都市を目指す。

押井守とプロダクションI.G.に、東京の未来図のタイトルでアニメ制作を依頼。
(2029年の東京。時々東京に停電が起き、その犯人を捜す、ベテラン刑事と新米刑事の物語です。内容は省略します)

森社長は、港区の東京タワーの近くに、46階建てのタワー・ビルを建てる新たな計画を持っている。
金融危機の今、本当の体力を持つ企業だけを呼び込むつもりである。

その地域、港区虎ノ門5丁目だけ、低層住宅が固まっている。
森ビルはここを再開発する予定である。
140年前からそこに暮らす住民がいる。集まりを持ち、やがて去る地を(懐かしむ)。

東京タワーは、3年後、電波塔としての役目を終える。

(再びアニメの続き)
ひと言書けば、東京は意志を持った生き物である、という見方が提示されます。

虎ノ門5丁目の家の明け渡し日が近づいている。
森ビル側から説明が行われる。

森社長は、ビルの屋上からヘリコプターを飛ばし、成田と六本木を結ぶ構想を持っている。
20分しかかからない。

点を線にし、線を面にするというのが森社長の考え方である。

国際線のパイロットは、最も美しい夜景は東京であると言う。

「願わくは東京が心優しきモンスターであらんことを」
(以上、番組紹介。メモの取り違いがありましたら、お許しください)


今回は、心穏やかに永遠の故郷、東京の沸騰面を見ました。
「ゆりかもめ」が開通して間もなく、乗ってみて、東京湾を一望に見渡せる、東京の新しい美しさに瞠目しました。
その頃から、東京は、都市として、機能的であると同時に美しさも部分的に備えるようになって来たと思います。

それよりかなり前、英会話学校のある教師が、東京は “the ugliest city in the world”とシタリ顔で言ったことがあり、あなたはどうしてそんな所で働いているのかと言い返したことがあります。

東京は樹が一本もないと聞いて来たけど、結構ある、と言われたこともあります。
東京空襲で焼け野原となり、その後日本人の活力が、美しさまでは考えられない、ただ都市としての発展のみを目指して来た時代が長かったと思います。

新宿の一画に高層ビル群(というほどでもないのですが)が出現した時にも、東京の新たな変化の始まりを実感しました。

沸騰都市東京に、地下が紹介されたことは、非常に適切であると思います。
地下街の繁栄は、ずっと以前から馴染んでいることですが、知られていない巨大な地下があること、特に、洪水対策の巨大な地下空間は、他の番組でも紹介されていて、驚くと同時に感動さえ覚えました。

東京タワーの展望台と、六本木ヒルズの展望台から見る東京はかなり受ける心象が異なり、私は、前者で、東京の大きさ、広さを再確認し、後者では、あまりに巨大、この都市で自分の存在は浜の真砂以下であると思い知らされます。

東京の人々の姿が殆ど紹介されていないのは残念ですが、今回は巨大な機能都市としての東京の紹介ということになるでしょうか。
所謂ハコモノを造る企業の、都市建設についての優れた構想が都市の姿、在り様に大きく関わることは事実ですが、都市に息吹を吹き込み、当初の姿さえ変えて行くのはそこに住む、利用する人々だと思います。

子どもの時、疎開地で空襲に遭い、その後我が人生の最低の数ヶ月を過ごしましたが、その時の、東京へ帰りたいという、砂漠で水を求めるような、心の底からの叫びのような思いは、東京が例えどんな姿をしていても、忘れることはありません。  《清水町ハナ》


(・固有名詞の誤りを訂正しました。「東京スカイツリー」)-09-02-19-
(・最後のセンテンス、削除しました。「沸騰都市シリーズ」は終わったと書きましたが、その後の(沸騰)都市という番組が放送されるそうなので)-09/02/20-

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