時事雑記帳20「Nスペ「世界同時食料危機2」思い出エッセイ〔141〕

NHKスペシャル「世界同時危機2」(10月19日、夜9時)。“うどんもミソもピンチ。大豆を探せ!”“穀物争奪、兵士とマネーで囲い込んだ農地”などと副題がつけられています。経済も食品も危機ばかり。それも根源的、状況がどう変わるか分からないという点が共通しているようです。

食料品売り場で、開店前、商品の値札がつけ換えられる。醤油、バター。食パンは二倍近い。
2年ほどの間に、大豆などは3倍位値上げしている。

エジプト他の各国で、穀物の値上げがキッカケの暴動も起きている。
中国、インドが急成長した結果、穀物製品が消費に追いつかない。
アメリカでは、バイオに廻すため、不足が起きている。

新たな穀倉地帯、ウクライナでは、世界各地が農地の奪い合いを始めている。
世界中で、食料の奪い合いが始まったと言える。

食料輸入大国、日本は、豆腐、納豆、味噌の原料、大豆の95%を輸入に頼り、今は手に入れることが困難になり出している。
投機マネーが食物にも入り出している。

・日本のメーカーはどうやって食料を確保しているのか。
ある営業マン曰く「玉(大豆)がないのが一番の問題」
例年、翌年分の大豆を調達している時期に、三分の一しかない。

リーマン・ブラザーズの破綻に始まる経済危機に、大豆の相場が動くと予想した、投機マネーが逃げ出した。
商社マンのO氏は、時期をみて、買いに出るつもりだが、大豆の国際相場はこの2年で3倍になっている。

もう一つの原因は、大豆生産国のアメリカの変化、つまり農家が契約に応じなくなった。大豆生産から、バイオ・エタノールの原料となるトウモロコシの栽培に転換し始めているからである。
大豆の値が一旦下がっても、すぐ値上がりするので、買い付けができない。

今後、どうやって大豆を手に入れるか・・・南米からの安定供給を目指している。
ブラジルは、世界第二位の大豆生産国であり、アマゾン地域に世界各国が群がっている。

O氏は、パラグアイに目をつけ、農家に契約栽培の話を持ちかけている。
パラグアイから届いた大豆は、色が薄く、水分が多く、品質は基準の数値を下回っている。これを使うと、味噌の色が変わってしまう。
品質改良が必要であり、それには4,5年かかる。

O氏は、再び海外に出て、中国東北部黒竜江省に赴く。
中国も大豆輸入国であり、高値で手に入れようとしている。

黒竜江省の大豆の品質はよく、農業局に許可を申請する。
関係者は、国内向けが最優先と言いながら、日本への輸出を認める。

翌日、港へ行ってみると、国家備蓄用の大きな倉庫が並んでおり、政府は国内用の備蓄を第一に考えていることが分かる。輸出に廻す大豆は少ない。

今、ウクライナに世界の注目が集まっている。
日本企業、38社がウクライナに行き、農業政策省を訪れる。

ウクライナは世界有数の穀倉地帯であり、養分に恵まれた黒土の大地を持つ。

今年農業を始めたばかりの日本人、青森県出身のKさんは、広大な農地を求め、ウクライナへ行き、甥と二人で、300ヘクタールの農地を借りる約束をする。
日本の複数の商社が関心を寄せている。

英国の企業が大量に農地を借り集める。日本に大豆を売る計画で、12万ヘクタールを確保。
人工衛星で農地の位置を測定し、コントロール・ルームで農地を管理している。
資金は、欧米の投資家から150億円集めた。
「日本は大豆に飛びつくはず」というのが彼らの言い分である。

この英国の企業は、食料を自給できないが、お金をたくさん持っている国、アラブ諸国、中国、日本などに高値で売るつもりである。

ソビエト崩壊後、全てが荒れ果て、最大の問題は治安の悪さである。60人の武装傭兵を雇っている。

上記ウクライナで農業を始めるKさんを、日本の商社が訪ねるが、関心を持ちながらも支援を躊躇っている。

欧米は、競うように、豊富な資金をもって、農地を広げているのに、日本企業の進出は遅れている。
世界最大の、アメリカのカーギル社は、ウクライナに小麦を求めて進出している。輸出先はインド。急成長をする、11億の胃袋を満たすためである。
カナダは、ドバイを輸出先としている。

ウクライナをめぐって、獲得合戦は激しさを増すばかりである。
世界的な穀物商社である、ルイ・ドレイファス社とランドコム社は何万トンも買っている。
地域代表と言える、グレンコフ社は、ヨーロッパに売るだけで充分、日本に送り込むことは考えていない、世界中から商談が舞い込むという。

上記、青森出身のKさんは、300ヘクタールを借りる約束をしたのに、ウクライナ当局から、僅か、5ヘクタールに減らされてしまう。
空いている土地はない、とも言われる。
農地の囲い込みが激しくなっている。
ウクライナで、日本は大きく出遅れている。

農地の拡大だけでは追いつかない。
遺伝子組み換えが進むアメリカでは、大豆の82%が組み替えである。
南アフリカはいち早く遺伝子組み換えを取り入れたが、ここ10年で人口が700万増え、主食品のトウモロコシの6割を、遺伝子組み換えトウモロコシが占める。
遺伝子組み換えトウモロコシは、5割生産量が上がる。
政府が補助金を出して、アメリカから種を買っている。

遺伝子組み換えの種を売る、アメリカのモンサント社は、去年1兆1千億を売り上げた。
除草剤に強い遺伝子組み換えトウモロコシは、除草剤をかけても枯れない。
今の食料不足は、モンサント社にとって、大きなチャンスとなっている。
しかし、遺伝子組み換えトウモロコシの生産が失敗に終わる時もあり、南アでは、収穫が半分になった時もある。

遺伝子組み換え食品を食べることへの不安も出ており、政府は、遺伝子組み換え食品の表示を義務付けている。

讃岐うどんで有名な香川県では、殆どの店でうどんの値が上がった。
讃岐うどんの小麦の大半がオーストラリア産で、7割近い値上げとなったことに拠るものである。

(旱魃など)思いも拠らない事態に、これまで、遺伝子組み換えに慎重だった、オーストラリア政府は、方向転換を考えている。
大学で、旱魃に強い、遺伝子組み換えの研究が行われている。そのキッカケは、異常気象で小麦の生産量が半分に落ち込んだことにある。
リスクがないとは言えないが、7年後の商品化を目指して、実験が始まっている。

遺伝子組み換えは、日本でも、雨が少なくても育つ大豆などの研究が行われている。

食料を輸入に頼っているから、日本は危機に弱い。
食料自給率を上げるために、今、あらためて、米に関心が集まり、米を細かい粉にすることによって、麺(中華ソバ?)、うどん、パンなどを作ると、ものによっては、小麦と見分けがつかない。
ライス・パワーとも言える。

現在、減反が4割となっているが、ライス・パワーの見直しが考えられる。
青森の藤森町に見学者が集まっているが、Sさんは、休耕田を利用して、家畜の餌となる飼料米を栽培している。
一般の米の倍近い収穫量があり、しかも減反の対象にはならない。
飼料米で飼育された鶏の卵は品質がいい。

東京農大で研究が行われているが、飼料米栽培が拡がって、100万ヘクタールの休耕田を飼料米栽培に使うと、飼料米の輸入は必要なくなる。
飼料米のホシアオバのモミの大きさは、普通の米の1.5倍である。

また、京都府は、家庭ゴミの研究をしているが、手つかずの食品が28%を占め、1年で、900万トンの食べ残しが、ゴミとして出されている。世界の援助食糧の1.5倍である。

世界的な食糧危機が始まった今、私達はどうすればいいか。

(以上、メモの取り違いがあったら、お許しください)

一ヶ月以上、テレビがない状況で、久しぶりにNHKスペシャルを見て、上記のような食糧危機状況が、初めて知ることが多いのに、まず我ながら驚きました。
大豆と小麦に限っても、この状況です。

(1)を見ていませんが、NHKの「NHKスペシャル・ホームページ」の当番組第一回、「アメリカ頼みの“食”が破綻する」のsummaryによると、

―こうした食料危機の発端は、戦後世界に拡がった、「アメリカ中心の食料供給システム」の破綻に行き当たる、つまり、アメリカの農業メジャーや農業団体が、世界各国に対し、安価なアメリカ産穀物を大量に消費する食生活や農業の普及を働きかけた、各国がアメリカ依存を進めた結果、食料自給率が低下、そのツケが今押し寄せている―

というのが、メインの内容だったようです。
何事も、危機はアメリカからやって来ると言いたくなります。

我々のついこの間までの豊かな食糧事情は、多くの飢える人達を抱えた国、それと中国、インドと言った国々が、豊かな国に変わったこと、つまり、援助食糧を必要としなくなったことによって変わった、飢えていた人々によって支えられていた部分もあるということも言えるようです。

食料自給率40パーセントでは、将来危機が来ると、言っていた、当の危機が、既にやって来ていたということでもあります。
その大元が、アメリカの、自国中心の穀物輸出政策という人為的な原因にあるということを、遅過ぎる時期に知らされるというわけです。

お料理に時間をかけることが面倒な年になって、ちょっとした贅沢の一つと、例えばお豆腐は、これ、などと決めていたのに、それもどこの、どんな大豆が原料か分からないということですね。
まだまだ指摘できますが・・・
ライス・パワーという唯一の新たな?希望もあります。  《清水町ハナ》


【追記】上記、最後の段落に、NHK,「NHKスペシャル・ホームページ」の第一回のsummaryより、第一回の簡単な内容を追記しました。 -08/10/26-

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