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zoom RSS 思い出エッセイ〔480〕映画雑記帳238「【ブルー ジャスミン】感想」

<<   作成日時 : 2014/05/20 16:55   >>

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 【ブルー ジャスミン】(ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード、監督:ウディ・アレン)。

長年通った映画館が五月末で閉館することになり、私にはこれが最後の映画となります。映画館事情も相当悪くなり、遠出をしなければなりません。
ウディ・アレンもここで何本かみましたが。


「ブルー ジャスミン」、きれいな響きだけど、ひ弱さそのものを表しているようにも思えます。
ジャネットと言う平凡な本名を嫌って、ジャスミン(ケイト・ブランシェット)と名乗っている女性のストーリーです。

ジャスミンは、裕福なハル(アレック・ボールドウィン)と結婚して、その優雅な身のこなしと美貌で、ニューヨーク・セレブリティ―の花となっていた(昔風に言えば社交界の花形ですね)。

しかし実はハルは、詐欺紛いの商法で儲けており、その上何人もの女性と浮気を重ねていたことが分かり、ジャスミンは、(何と)自分でFBIに通報し、夫は逮捕され、結婚も破綻、資産も全て失ってしまう。

ジャスミンはサンフランシスコに住む妹、ジンジャー(サリー・ホーキンス)を頼ることにする。
一文無しの状態に近いのに、ファースト・クラスに乗り、バッグはバーキン、ボストンバッグだけでなくトランクもヴィトン。
服はシャネルと何かに書いてありました。

ジンジャーは、夫と別れて、二人の子供を引き取って生活している。
ジンジャーとジャスミンは、里子として、同じ里親に育てられ、姉妹と言っても血がつながっていない。
当然、顔も全く似ていないし、おしゃれとは無縁のようなジンジャーだが、しっかりしている。

すぐにでも働かなければならないのに、手に職などないジャスミンには何もできることがない。
ジンジャーに勧められて、インテリア・デザインを学ぼうと決めるが、パソコンもできない。パソコン教室に通う費用を捻出するために、歯科医院の受付をするが、予約の調整もうまくいかない。
その上医師の執拗なセクハラに遭い、辞めてしまう。
しかし何とか費用は得られたらしく、パソコンを習う姿も映し出されます。

ジャスミンは情緒不安定で、すぐにパニック状態となり、安定剤を常用している。
ジャスミンが眉をひそめ、目に苛立ちと不安定な表情が浮かび、パニックが今にも始まる、安定剤をあおるように呑む、見ている者にも、ああまた始まる、と思わせる、ケイト・ブランシェットが実に巧みに演じています。

ある日パーティーで出会った、外交官を名乗るドワイト(ピーター・サースガード)と親しくなる。彼は、ゆくゆくは議員に立候補するつもりだと言う。
彼は大きな邸を自宅にするため購入しており、その家にジャスミンを案内し、インテリア・デザインを任せたいとも言う。

漸く大きな幸せが目の前に近づいている。しかし彼女は、自分はインテリア・デザイナー、夫は外科医で既に死亡、子供はいない、などと偽りを言っていた。
家を出た息子を探し当て、孫になる子供もいることを知るが、息子はジャスミンが父親を自分でFBIに引き渡したことを絶対に許せないと言い、二度と会わないと告げる。

ある日ジャスミンがドワイトと連れ立って街を歩いていると、以前の知人に出会う。


ケイト・ブランシェットが、本年度のアカデミー賞主演女優賞受賞に相応しい圧倒的な演技を見せます。
一方容姿もパッとしない、ファッションなど、普段服でも普通もう少し気をつかうのでは、というような、粗末と言うか、根っから関心がないと言うか、ボーイフレンドまでジャスミンが毛嫌いするようなタイプのジンジャー、それでいて、観客は彼女に惹かれる、ジンジャーを嫌いと言う人はおそらくいないでしょう。
彼女も、この人、と言う相手をパーティーで見つけるが、妻がいると知って、サッパリ諦める、淡々と元の生活に戻る。ジャスミンと違って、大人でもあります。

二人が女優であることを忘れ、ジャスミンとジンジャーと言う二人の女性として見入ってしまう・・・それほど名演技だと思いました。
ただ同じ里親に育てられたのに、どうしてここまで違う環境に身を置くことになったのか、その辺、全く説明がないのが、まあ、ジャスミンが主役であるからかと思いますが、もの足りなさを感じました。

ジャスミンが泥縄式にパソコンを習い始める場面など思わず笑いそうになりました。
アメリカではずっと早い時期から一般にパソコンが普及していて、中年のジャスミンが今更習い始めることに違和感を持ちました。インテリア・デザイナーを目指すと言うのに。それほど世間に疎いということの例示でしょうか。

自分のことですが、30年近く前、アメリカの大学生の夏期集中授業で一人日本語が問題なくできる学生に翻訳添削をしたことがあり、彼は何か役に立てることがあったら、言ってもらいたいと申し出てくれました。あるテーマについて日本には資料がなく、もしあったらと頼んでみたところ、すぐに検索してコピーにするかマイクロにするかと聞いてきました。
コピーでと頼んだところ思いがけない貴重な資料が数点送られて来て、学生がコンピューターをここまで使いこなしているのかと感心しました。日本では、専門家や特に関心がある人はともかく、周囲では、図書館位しかコンピューターを取り入れている所がなかったからです。

社交界の花形以外何もやったことがない女性が突然インテリア・デザイナーを目指す、パソコンを一から習うと言う設定が不自然ではないのかしらと思いました。
そこまで世間知らずと言うか、考え方が甘いということの例示でしょうか。

ウディ・アレン監督の作品は、饒舌、会話が飛び交うという印象がありますが、これ程うるさいとまで感じるのは初めてのような気がします。
パーティー場面の騒々しいこと、とにかくいいパートナーを見つける、それだけが目的みたいで、多少ウンザリ気味でした。

ジャスミンが嘗て属していたセレブのパーティーと比較して描いているのか、すぐにくっついたり離れたり、見ているだけで疲れてきました。

ジャスミンが如何に消耗し、不安定になっていようと、シンパシーは描かれていない、空疎と断じ、否定的であると感じたのですが、監督自身の立ち位置は示されていないようにも受け取れました。
ただジャスミンと言う女性の存在そのものは強く印象に残りました。  《清水町ハナ》

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ジャスミンの運命
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