思い出エッセイ

アクセスカウンタ

zoom RSS 思い出エッセイ〔460〕「テレビ・ドラマ『半沢直樹』雑感」

<<   作成日時 : 2013/09/24 08:10   >>

トラックバック 0 / コメント 2

テレビ・ドラマ『半沢直樹』(TBS毎週日曜日21時〜)の最終回が昨夜放映されました。本当に久しぶりに、毎週欠かさず見たドラマです。

放送時間の9時と言うと、夕食や後片付けが終わって、テレビをつけているのに、ちょっとしたことを、あれこれしていたりで、見たい番組にチャンネルを廻すことも忘れ、最近はいつの間にか居眠りをすることも多い、魔の時間です。
「もし寝ていたら、9時ちょっと前に起こしてね」と家族に頼んで置きましたが、自分の部屋に入ってしまうから、もしかして忘れるかも知れないと思って、念のため録画を予約しておきました。テレビ・ドラマを録画するのは稀なことです。

前回、土壇場で、主人公の半沢直樹(堺雅人)の同期の親友、近藤が、半沢を裏切って、本店復帰(異動?)と引き替えに、決定的な資料を半沢に渡さないことを、敵役の大和田(香川照之)に約束してしまうので、結末がどうなるか、分からなくなっていました。

ああではないか、こうではないか、などと、最終回の短いコマーシャルが出る度に、「百倍返しだ、大和田ぁ!!」と言っているから、定番通り?大和田の土下座で終わるのかな、とか、近藤、と叫んで涙を流しているから、もしかして近藤さんが自殺してしまうのかも知れない、とか、泣いている近藤を半沢と渡真利(及川光博)が両側から笑顔で慰めている場面が出たから、それはない、第一、裏切ったという自覚が十二分にあるのに、いい大人が今更自殺もないだろう、など、殆ど独り言に近く、しゃべっていると、家族が何か返事をした方がいい、みたいな調子で、付き合ってくれました。

実は私は、テレビの連続ドラマを毎回欠かさず見ると言うのは、殆どないことで、時折再放送やまとめ放送で見て、感想を書くこともある、と言う程度です。ドラマが嫌いとかではなく、毎週欠かさず落ち着いて見る余裕がないと言うところです。

この半沢シリーズは、第1回から見ていたと思うのですが、流して見ると言うか、今思うと、半沢が中学生か高校生の頃、小規模工場でネジを作っていた父親が、資金繰りに行き詰まり、担当銀行員の大和田が容赦なく資金を引き揚げたので、自殺する下りが見始めの最初で、例えば、NHKの『ハゲタカ』などが、似たようなパターンで始まる印象的なドラマでしたが(今思い出しましたが、この『ハゲタカ』も毎回見ていました)、その時既に倍返しを誓ったのだったかどうか、親の仇の東京中央銀行に就職する、と言う点が、珍しい、と言うか、新鮮な発想と言うか・・・

今、このドラマを紹介することは意味がないので、自分が、忘れないように目覚ましをセットしたこともあるほど、毎週見た、惹きつけられた理由を、思い出すままに書き出すことで探ってみたいと思います。

ストーリーが巧みで、よくできている、この続きはどうなるのだろう、と毎回楽しみにしたことが第一に挙げられるかも知れません。

主演の堺雅人には高い点を出せると思います。
堺を初めて見たのは、NHKの大河ドラマ『新撰組』で山南敬助を演じた時です。
いつも笑みを浮かべていることが一番印象に残りました。
その後映画やテレビ・ドラマで何回も見ていますが、芸達者と思っても、特に贔屓という程でもありませんでした。

今回は、微笑を封印して、堺雅人による、ストーリーの内容に相応しい、強烈な、半沢直樹像を、寸分の緩みもなく創り上げました。
どのシーンを見ても、堺の演技は完璧だったと言えると思います。セリフも常に一定の力強さを保っていて、文句無しというところです。

剣道の心得があると言う設定で、最初から詐欺を計画して、銀行から金を騙し取る、半分ヤクザのような男にも、喉元に竹刀に見立てた棒を突きつけるのに、彼の愛人役の壇蜜に、スーパーの袋で応戦され、コテンパンにやられる場面には、笑ってしまいましたが。

実際、倍返し、三倍返し、百倍返し、と、コマーシャルで呪文のように繰り返され、何をもって、倍返しと言うのか、はっきり分からないのに、半沢と言えば倍返し、と、見る人の脳裏に刷り込んでしまったことも、このドラマ自体の刷り込みの成功に繋がったとも言えます。

銀行と言う、親戚や知人に銀行勤めがいても、また店内には頻繁に出入りしているのに、内情が分かりにくい、そして、お金を借りたことはなく、累計すれば相当の額を長年預け入れているのに、慇懃な応対にも拘わらず、何となく上から目線を感じる、居心地のあまりよくない「場所」を、「お客」と同じ目線、或いはそれ以下に引き下げて見せて、スカーッとした気分にさせてくれた功績?も大きいと思います。

原作者は、銀行務めを経験しているということで、また半沢や親友の渡真利と同じ大学出身だそうで、実際の銀行の雰囲気が驚く程再現されていると言う、銀行員の感想を目にしたこともありますが。

と言って、倍返しのために銀行に入る人はそうはいないと思えますし、ドラマの半沢も、銀行の仕事をキッチリこなしながら、見る者に、必ず倍返しをする、三倍返しをする、と言う、当初の目的を常に、時として強烈に、ある時はさり気なく、思い出させたり、目立たず、刷り込みを続けるわけです。
実際、「倍返し」と叫ぶのは、コマーシャルの方がずっと多かったと思いますが。

半沢は、関西支店での闘いに勝って、東京本店に栄転して、このドラマのもう一人の、思わぬ?注目株となった、片岡愛之助演じる、金融庁の官僚、黒崎も本庁に戻って、役者も揃い、扱う問題?も、金額も規模も大きくなり、失敗すれば、本店を揺るがす事態になり、黒崎の思う壷となる、関西時代から絡んでいる、と言うより、半沢の倍返し相手の張本人、大和田常務も、悪役ぶりに益々磨きがかかって、東京本店を新たな舞台として、ドラマが再開すると言う感じでした。

しかし、大和田は、銀行員として、あるまじき行為のシッポを半沢達に握られてしまった。
それでも最後まで強気を通す。地の果てに飛ばされることも覚悟しているから、ある意味筋が通っている。
香川照之の悪役ぶりも徹底していて、これから悪役しか来ないのではと心配になりました。

半沢と同期の親友、渡真利は、いつも情報を持って来るが、パッと目立つ役割を演じないので、もしかして裏切るのではという思いがチラつくのですが、東京で半沢が取り組む最大の案件、ホテル再建問題で、アメリカのホテル・チェーン最大手との提携を事実上セットすることで、視聴者の疑いは晴れます。
いかにも本店勤務のバリバリの銀行員と言う感じがよく出ていた、及川の渡真利役を、もう少し印象づける場面を増やしてもよかったのでは。

最終回を、一体どうなるのだろう、ああでは、こうでは、と思わせる、大詰めの展開に持って行ったことも成功の一つと思えます。
半沢は、それまでに調べた全てを、重役会議で明らかにする許可を、頭取直々に得て、その際、近藤が、本店勤務と引き替えに、提出しないことを約束してしまった資料がなければ、通らないと言い渡される。

半沢の妻の花(上戸彩)が、大和田と組んでいる部長?(名前を忘れてしまいました)、(後で岸川と思い出しました)の娘がハワイで結婚することを妻から聞いて来て、半沢は、その相手が何と黒埼であり、岸川が、黒崎に銀行側の情報を流していたことを知る、大和田側に決定的な不利な情報である。
それを新規の決定的な資料として、半沢は、会議に臨み、ホテル再建問題の進捗経過を明らかにしながら、大和田を追い詰めるためには、岸川の娘と黒崎の結婚も利用して、遂に岸川も、大和田の不正を告発する証言をする。
結果的に、半沢は、大和田の不正を明らかにして、倍返しを果たす。

半沢は、勝ち誇る姿を見せると言うタイプではありませんが、これで終わったと言う充実感に浸っていると思える時、頭取に呼び出される。
周囲は昇進を予想し、本人も満更ではない気分でいるように思える中、どのような処分も甘んじて受ける覚悟の大和田常務には、平取りへの降格のみ、と言う、信じられない軽い処分が下り、半沢には、思いもかけず、セントラル証券出向と言う、言わば懲罰処分が下される。ガッカリした方も多いと思われます。

最初から全体を見渡し、把握し、目立たない形で、流れを押さえていたのは、頭取(北大路欣也)だったというわけです。

突っ走る半沢の勢いと能力を利用して、銀行の仕事が本来の方向へ向かう弾みとし、大和田の浮き貸し、と言う不祥事の全貌を掴み、監視下に置く、金融庁と事を構える方向を避ける、常務として、と言うより銀行員として、あるまじき不祥事まで暴かれた、大和田は、以後慎む方向に向かうし、寛容過ぎる処分により、今後頭取に絶対に従う筈、とにかく最終会議で、半沢により、銀行の膿を出させ、事実を白日の下に晒した上での、温情(と見える)処分、一方では、出過ぎた、不適切な態度、行動で大和田達を告発した半沢には、厳し過ぎる、まさかの処分を敢行して、将来像を描く・・・と言うところでしょうか。

半沢を全面的に認めたら、銀行と言う組織の基幹部に打撃を与えかねない、一度出向で鍛え直す、話は飛びますけど、この結末が、続編をつくるには、一番やりやすい形とも言えます。また半沢が、まずは証券会社で頑張る姿が期待できるかも知れません。

しかし、大和田の浮き貸し事件は、一般人のお金を、貸すべき所に貸さないで、自分の妻の資金に廻す、しかも返さない、と言う、許すことのできない犯罪であり、それを不問にすると言うのは納得できないところです。証拠が出されなかったから、銀行として、なかったことにしようと言うことがありなのか、宙に浮いたままと言う感じは否めません。

こうして本気で考えさせる部分もある、ハラハラドキドキする場面もいっぱい、所謂オネエ言葉を駆使?して、視聴者を楽しませてくれた、愛之助の存在も大きかった、終わったはかりで、まだまとまった感想も浮かびませんが、まずは、本当に面白かった、と言うのが第一の感想でしょうか。

架空のオハナシであることは充分承知しているつもりでも、引き込まれて見てしまうのは、いつもは、自分一人の目で見ている、人や組織について、こういう面もあるのかと気づかされる点がいくつもあるからで、当該の現場の人からは、こんなのは作り物と言われても、それは、自身がその渦中にいると、気づかないことも多くあるということ、そんな風にも言いたくなる、出来のいいドラマでした。

このドラマを毎回楽しみにして見た理由を一つ挙げるとしたら、どんな状況でも挫けることなく、前向きな主人公を見て、毎回、元気になれた、ということでしょうか。 《清水町ハナ》

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どうも(*^∇^*)
意外な結末だった

って言う方々が多いけど

やっぱりサラリーマン世界よねぇ

半沢直樹さんは銀行にとってトカゲのしっぽだったようで

出向になってしまったし大和田常務も頭取の順応、服従心を養成させた機会だったみたいだし

結局は

辞退を願って裏工作していた大和田常務は頭取の青写真が現実的に履行出来て完。ってことだったみたいね

やっぱ首を取るから頭取なのね

( ̄ー ̄)
〜NORINKO〜
2014/03/25 01:14
ドラマとしてオモシロカッタ、という印象だけ残って、細部を忘れてしまいましたが・・・
もともと復讐が動機だから、目的は果たしたということになりますよね。

銀行と言う、最も変えにくい、変わりにくい巨大組織で、あれだけのことをして、一応敵討ちもして、出向で済んだのは寧ろ幸いのように思いますけどね。
復帰の可能性もあるわけですし。
清水町ハナ
2014/03/27 09:33

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
思い出エッセイ〔460〕「テレビ・ドラマ『半沢直樹』雑感」 思い出エッセイ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる