思い出エッセイ

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画雑記帳141「【ライフ−いのちをつなぐ物語】感想」思い出エッセイ〔358〕

<<   作成日時 : 2011/09/09 22:03   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 【ライフ】(ナレーション:松本幸四郎、松たか子、共同監督:マイケル・ガントン、マーサ・オームズ、BBC EARTH プロダクション制作)。大変興味深く、そして楽しく観ました。

この頃(などと書くとずっと以前からと言われそうですが)所謂ネイチャー・ドキュメンタリーの分野は、テレビでも素晴らしい映像を見ることができます。
映画を見ると、あれ、これ見たことある、そんな風に感じるシーンもあります(別に撮影されたものでしょうけど)。時として眠くなることも。

この映画は一度もそんな思いを抱きませんでした。全ての映像が未知のもの、新鮮で、美しく最近では一番映画に惹き込まれました。
最初はこれ、次にこれ、と順番に動物の生き様が紹介される感じがありますが、それで正解。それぞれが全く別の生き様を示してくれます。中には既に知っていることでも、ああそうだったのかと意外な種明かしがあります。

野生動物と言えば、弱肉強食。弱いものが捕食される場面をいやと言うほど見せられて来たわけですが、この映画はいかに生き延びるかということが命題のケースも多くあります。
「公式サイト」に登場動物、撮影方法、他色々詳しく紹介してあります。

全部の動物を紹介しても、映像の素晴らしさの何の邪魔にもならないと思いますが、いくつかご紹介します。
最初は海豹の親子。見渡す限りの氷の世界で、母アザラシは子供を生む。天敵がいないからだそうです。氷を割って、海の中で獲物を取り、赤ちゃんにもすぐ泳ぎを教える。
ずっと昔、毛皮用にアザラシが乱獲されていた頃、子どもアザラシの方が値が高いということだったと思いますが、ほんとに可愛い赤ちゃんを一撃で殺し、引っ張って行くのを、親アザラシがいつまでも鳴きながら追いかけて行く場面を今でもよく覚えています。

日本の温泉ザルは有名で、外国人観光客も見に来ると聞きましたが、この映画から一つ学びました。仲良く皆で温泉を楽しんでいるように見えますが、何と温泉に入れるのは一番強いボスが率いるグループだけで、それ以外は外の雪の中で寒さに震えているのだとか。
赤ちゃんザルもいい湯だなあという風にうっとりしてるけど、彼が最強のグループに属しているからこそなんだそうです。

最初の方で、体は小さいのに、いやが上にも目立つ存在は、蛙はカエルでもコスタリカなどに住む、イチゴヤドクガエルです。頭と胴体の殆どが深紅で、足とつけねが藍色というド派手なカエルですが、オタマジャクシが孵化すると、何と一匹ずつ背中に乗せて、樹の上に登り、葉の根元に水が溜まる種類の(例えばグズマニアのような)植物の水溜りの中に入れ、そこに無精卵を産み落とし、それをオタマジャクシの食料とするのです。確か4匹を一匹ずつ別の場所に運び入れていました。樹を登ったりするのに、よくオタマジャクシが落ちないものですね。

(足から下が藍色なので「ブルージーンズ」とも呼ばれ、全身真っ赤な種類もあるそうです。2〜2.5cmと小さい。まあ、でも見るからにと言うか、ベニテングダケのような鮮やかな色は当然毒があるのではと思わせますが、人を殺傷する毒を皮膚に持ち、原住民が狩りをする時毒矢に使われたこともあるそうです−以上netより)

ハキリアリと言うのは、自分の体より大きい葉や茎を切り取って、せっせと巣に運び入れます。ただそこに置いておくのではなく、また食べることもなく、それを集めて発酵させ、キノコを栽培(まさしく栽培です)するそうです。キノコが生えている様は言うならハキリアリ農園という感じです。

(つい調べたくなってしまいますが、ハキリアリのキノコはアリタケと呼ばれ、どうやら栽培すると言うよりアリの体に寄生するようです。アブラムシも生きたまま巣に運んで来て、そのまま生かして虫が出す汁を吸うとか。これは牧場ということになります。アリタケを、冬虫夏草と結びつけた記事もあり、他にも色々書いてありますが、この位にしておきます)

チーターは足の早いことで知られていますが、持久力がなく、獲物も噛み殺すのではなく、首を絞めて殺すという方法をとるので、ウサギ、ガゼルなど比較的小さい動物を獲物にし、キリン、シマウマ、ダチョウなどは、チーターの近くで平気でのんびりしている。
ところがこの映画に登場するチーターは、三兄弟が力を合わせて大きな獲物をとる。ダチョウを仕留める場面が出て来ます。三本の矢のようなものです。

自分の頭より大きな漬物石のような石を頭の上から力任せに落としたり、高い所から落として固い椰子の実を割る、道具を使うことを覚えたフサオマキザル。

驚いたのはコモドオオトカゲです。正しい知識だったのかどうか、体が大きい割りに大人しく人にも慣れるという風に思っていました。
この映画では、一匹のコモドオオトカゲが、水中で休んでいる水牛を襲うような素振りをして、足に噛み付きます。ちょっと血が出て、大した怪我ではないように見えるのですが、血の臭いを嗅ぎつけたのか、十匹以上のオオトカゲがやって来て、そこに座り込みます。
何日間もということだったと思います。実はコモドオオトカゲに噛まれると、毒が体中に廻って、水牛は死に至る。そこに群がるオオトカゲ。じっくり水牛の死を待っている姿が不気味です。

バジリスクというトカゲが水の上を走る姿にも笑ってしまいました。ちょっとエリマキトカゲに似た感じです。水の上を走るには100メートル何秒だかコンマ以下だか数字を言っていたのを忘れてしまいましたが、逃げるためで、人に見せるために走っているわけではないでしょうけど、ほんとにオカシイ。

鳥や虫や魚も取り上げられています。
再会した夫婦鳥だったと思いますが、一糸乱れず喜びのダンスを二匹で踊るクラークカイツブリ。右に左に正確なステップを踏む姿が微笑ましく見事です。

ミズダコはたくさんの卵を自分の身体の周りに生んで、透けた卵から幼蛸が次々と殻を破って生まれ出るのを見届けて、一生を終える。蛸でさえ、と書いたらタコに申しわけない気がしますが、あの特異な形の小さい子どもが、母蛸に見守られながら、次々に生を受ける姿は感動的です。

鯨やイルカの頭脳的な行動は多く紹介されているので、ここでは省略します。

一部の動物を簡単にご紹介しましたが、‘LIFE’というタイトル通り、動物達が、我々人間が気付かないところで、いかにして生を受け継いで行くか、そのために親がどんな努力をし、どんな行動をとるか、日々どんなにすぐれた力を結集して生き抜こうとしているか。
信じられない行動、ユーモアのある動作、初めて知る事実の数々。それぞれの個体についてもっと知りたいという気持ちに駆られることは必至です。

以前【ミーアキャット】というドキュメンタリー映画を非常に面白いと思って、「お勧めです」と書いたところ、面白いとあったから見たけど、どこが面白いんだという記事が私のブログの後に紹介されて、私の所為ではと気にしたことがあります。
所謂動物映画は、好き嫌いがはっきり分かれ、関心のない方には全く面白くないものかも知れません。

そういう意味で慎重になるとしても、この映画は所謂動物映画ではなく、言わば生きとし生けるものの生き方を描いたもので、自信を持ってお勧めですと書きます(まあ、でも特に動物好きの方にと書いておいた方が無難かも知れません)。
因みに英国版のナレーターは現役007、ダニエル・クレイグです(あまり関係ないかな)。
もう一度見たいと言うより、DVDが出たら絶対買いたいと思います。イチゴヤドクカエルがどうやってオタマジャクシを落とさないで運ぶか見たいし、水の上を走るバジリスクの姿も何度も見てみたいものです。

久しぶりに堪能した映画で、気分もすっきりしました。  《清水町ハナ》

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画雑記帳141「【ライフ−いのちをつなぐ物語】感想」思い出エッセイ〔358〕 思い出エッセイ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる